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    豆腐いろいろ
豆腐といえば、絹ごし豆腐と木綿豆腐。
でも豆腐はそれだけじゃなく、もっといろいろな種類があるのです。
ここではちょっと変わった豆腐を紹介していきましょう!
沖縄の豆腐(1)〜豆腐よう
沖縄の豆腐で一番変わっている豆腐といえば、豆腐ようだろう。「沖縄の豆腐のなかで」というより、日本一変わっている豆腐といってもいいかもしれない。
まず色からしても白ではない。赤である。そして大きさは、沖縄料理屋で注文すると、2cm角くらいのものが出てくる。しかも、こんなに小さいのにだいたい500円程。なかなか高価な豆腐といっていいだろう。さてそのお味だが、だいたい「泡盛の香りの豆腐のチーズのようなもの」と想像していただきたい。豆腐のチーズ…。想像できるようで出来ないのだが、珍味というのは間違いない。
さて食べ方だが、いくら小さいからといって、決して一口で食べてはいけない。高価なのでもったいないからではない。豆腐ようは、アルコール分約9%。奈良漬けが約4%なので、倍近いアルコール分がある。そのため、ひとくちで食べると目から泡盛が噴き出すような感じになってしまうだろう。楊枝などの先で削り落としながら、ちょっとづつ食べる。泡盛のつまみにもちょうどいい。
さて、なぜ豆腐ようは赤い色をしているのだろうか?実はこれは麹菌の天然色なのである。豆腐ようは、沖縄ならではの島豆腐を泡盛と麹に漬け込んで作る。乾燥したサイコロ状の島豆腐を泡盛と麹に三ヶ月も入れてじっくり熟成させて作るのである。
豆腐ようのルーツは、中国の「乳腐(にゅうふ)」ではないかと言われている。 乳腐は豆腐にカビを生やして発酵させて塩に漬けて作られたもので、中国では今も一般的におかゆなどに入れて食べられている。琉球王朝には、幕末まで王が替わるたびに、中国から皇帝の使者・冊封使が訪れていた。その際に中国の使者が持ち込んだのか定かではないが、この乳腐をアルコール、すなわち泡盛で塩抜きをしたことが、現在の豆腐よう作りに繋がっていったのではないかと考えられている。当時、豆腐ようは、琉球王朝の門外不出の秘伝食で、王侯貴族の口にしか入らない「珍味中の珍味」だったのだ。もし沖縄に旅行する際は、ぜひ食べてみることをお勧めしたい。味には賛否両論あって、おいしいかどうかはその人次第なのだが、話のタネ、旅行のいい思い出にはなるだろう。
また沖縄には行かないが、どうしても食べてみたいという人は、通販でも買えるところがあるので、調べて試してみたらいかがだろうか。
沖縄の豆腐(2)〜島豆腐
沖縄では豆腐といえば絹ごし豆腐でも木綿豆腐でもなく、島豆腐のことを指す。
沖縄は豆腐の消費量が日本一ではないかと言われ、豆腐は沖縄の食生活に欠かせない食材となっている。沖縄が長寿日本一の県であることは有名だが、沖縄の「長寿三大食品」が「豆腐・豚肉・昆布」なのである。
さてその島豆腐であるが、まず大きさが食パン1斤とほぼ同じでかなり大きい。重さは約900g。そしてかなり固い。「沖縄の島豆腐は縄で縛れる」というくらい固いのである。本土では豆腐は水にさられている状態で売られているものだが、沖縄の島豆腐は水にさらされないで、ビニール袋に入っただけの状態で売られている。
島豆腐の製法だが、「生しぼり」と呼ばれ、砕いた大豆から出てきた汁をそのまま絞っておからと豆乳に分ける。それから豆乳に火をかけ、ニガリで凝固させるのである。こうして出来た島豆腐は、本土の製法である大豆からの汁を加熱してから、おからと豆乳に分離する「煮しぼり」に比べ、おからの成分が多く、タンパク質は本土の豆腐の約1.3倍といわれる。島豆腐は大豆の栄養が凝縮された食物なのである。
沖縄料理の定番に「とうふちゃんぷるー」があるが、この島豆腐を使えば、水っぽくならず形も崩れない。
また、居酒屋料理の定番に「スクガラス豆腐」というのがある。これは、スクガラスというアイゴの稚魚の塩辛が島豆腐にちょこんとのっかているもので、沖縄版の冷奴であろうか。沖縄に訪れた際は、泡盛のつまみとしてぜひ試していただきたい。
沖縄の豆腐(3)〜ゆし豆腐
豆腐は豆乳の中にニガリを入れて作る。ニガリを入れると豆乳の中にふわふわと豆腐が浮いてくる。このふわふわ豆腐を型に入れて固めたものがいわゆる「豆腐」だが、形が定まっていない状態のふわふわな豆腐を沖縄ではゆし豆腐と呼ぶ。本土で言う「おぼろ豆腐」や「汲み豆腐」に近い。
汁ごと丼にとって、ねぎをかけて食べる。出来たてのゆし豆腐は本当に白くてふわふわ。そのままでももちろんおいしい。うっすら塩味と豆腐の濃い味がするのである。大衆食堂の定番である。
ゆし豆腐の状態のものを型に流し込んで固めて、重しを乗せて水分を徹底的に抜いてしまうと島豆腐になる。しかし、ゆし豆腐は管理が難しい。島豆腐なら冷蔵庫に入れれば1週間もつが、ゆし豆腐はその日のうちに食べなければいけない。そしてやはり出来たてがうまい。ゆし豆腐は沖縄に行ってしか食べられないのである。
沖縄の豆腐(4)〜じーまみ豆腐
じーまみ(地豆)とは、ピーナツのこと。じーまみ豆腐とは、ピーナツで作った豆腐である。
ぷるぷるしていて、しかもねっとりしている。そして甘い。ピーナツの風味がしていて、デザート感覚な豆腐である。甘辛の醤油ベースのたれをかけて食べる。
デザート感覚な豆腐といえば、杏仁豆腐を思い浮かべるかもしれないが、もっとうんともっちりしている。豆腐というよりおもち?という感じだろうか。甘いので、つまみにというより、おやつに食べるがいいだろう。
多少日持ちするので、沖縄旅行のお土産にというのもいいかもしれない。
有田の豆腐〜呉豆腐
一般的に豆腐の製法といえば豆乳の中にニガリを入れて作るものだが、ニガリを使わない豆腐があるのをご存知だろうか。
それが有田の呉豆腐である。呉豆腐は、豆乳に葛と澱粉を溶かしたものを弱火で練り込み、型に流し込んで冷やして作る。製造過程に3時間ほどかかる。
この呉豆腐が有田に伝わったのは、昭和初期。長崎に輸入された中国産大豆の買付けに行った有田の人が、中国人から作り方を学んだのが始まりだそうである。ちなみに「呉」とは、大豆をすりつぶしたもの(豆乳を絞る前の状態)のことで、その製造過程から呉豆腐と名付けられた。
さてそのお味であるが、プリンのようなお餅のような食感である。プリプリしていてモッチリしている。付属のタレか胡麻醤油、また酢味噌をかけて食べてもおいしい。ただ、この呉豆腐は日持ちしない。その日のうちか、せいぜい翌日まで。なぜなら澱粉を使っているため、日を追うごとに固くなってしまうからだ。だから、お土産には向かない。やはり「呉豆腐を食べるなら有田で」ということになるだろうか。
山形の豆腐〜六浄豆腐
豆腐はやわらかい。それは常識中の常識である。だから、たとえ「豆腐のカドに頭をぶつけて死ぬ」なんてありえない。しかし、「豆腐のカドに頭をぶつけて死ぬ」可能性のある豆腐がある。それが山形の六浄豆腐である。
堅い豆腐といってまず思い出すのは高野豆腐であるが、高野豆腐よりもはるかに堅い。あまりにも堅く、そのままでは食べられない。よって、鰹節のように削ってそのまま吸い物の具にしたり、熱湯で戻して酢の物や和え物などにする。別名「精進節」ともいう。
作り方は、堅めに作った豆腐に荒塩をたっぷり刷り込み、天日で乾燥させる。なぜこんなにも堅くしてしまったのかというと、それは保存のためである。脂肪分は少ないが、豆腐の貴重なたんぱく質が豊富に含まれている。そして、消化もよく整腸作用もある。
出羽山麓で修験者の携行食として作られたのが起源で、京都の六條で作られていたものを修験者がもたらしたと言われているが、現在は京都では作られておらず、山形でだけ作られている。また山に登るときに唱える「六根清浄」という仏教の言葉から六浄豆腐と名付けられたらしい。
通販などで買えるので、たまにはやわらかい豆腐ではなく、堅い豆腐も試してみたい。
台湾の豆腐〜臭豆腐
台湾の屋台に行くと強烈な臭いがすることがある。この臭いこそ臭豆腐(ちょうとうふ)の臭いである。
名前が示すようにかなり強烈な臭いなのだが、この臭いを嗅ぐとやっと台湾に来た気がするという人までいるように、食べてみると意外とおいしい。
なぜ臭豆腐がそんなにも臭いのかというと、それは発酵させた豆腐だからである。臭豆腐の作り方は、堅めに作った豆腐を薄く切るか角切りにして、豆腐の表面から水分をとばし、ある種のカビをつけ、天日で干して塩漬けにする。これをさらに諸味につけ込む。黒っぽい液体に漬かった臭豆腐を、カメから取り出すとき、とにかくすごい臭いがあたり一面に漂うらしいのだが、一度この味の虜になってしまうと、やめられなくなってしまうのだそうだ。
そのままだと色は薄い緑色(!)。屋台で売られいる一般的なものは、臭豆腐を油で揚げたもので、これにニンニク醤油の特製ソースをかけて食べる。また、辛いスープで煮込んだもの、串焼きにしたものなどもある。とにかくすごい臭いだが、台湾に訪れた際には一度お試しください。 

《追記》
臭豆腐は、中国全土で食べられているそうです。香港や広東はもちろん、上海でも食べられます。普及率は台湾が一番だそうです。読者からメールをいただきました。(2006/12/12)
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